設立の趣旨

明治10年(1877年)4月16日、クラーク博士が北広島市島松沢の旧島松駅逓所で学生たちと別れのときに述べた『青年よ 大志を懐け(Boys, be ambitious)』と云った意味は、金銭とか私利私欲や名声と呼ぶはかないものに対してではなく、知識や正義に対して、みんなの向上のために、そして人間としてあるべき最高の姿に到達できるように」と解釈されています。

言葉の意味と在任中のクラーク博士の偉業(クラーク精神)を正しく後世に伝え続けるため、別れの地「島松沢」に馬上のクラーク像を建立することとしました。北海道内の方々だけではなく、道外からの多くの観光客や修学旅行生の方々にも訪問していただくきっかけとなり、クラーク精神の素晴らしさが全国に広がることが期待できます。

この別れの地は中山久蔵が寒さに強い水稲「赤毛」を導入し、水温を上げる栽培法の検討など多大なる努力と工夫により収穫に成功し、寒冷地稲作のきっかけとなった地でもあります。その後、「赤毛」からさらに寒さに強い個体を選抜し「赤毛種」を作りあげました。その後の「赤毛種」の種もみの無償譲渡や栽培指導の根底にはクラーク精神が存在すると思われます。

以上の功績を記念し、同志の賛同を得て平成28(2016)年4月24日に任意団体としての「クラーク博士別れの地・普及促進会」を設立しました。クラーク像建立と久蔵の里の実現には多額の経費を要するため、個人、団体の皆様からの寄付が必要と考えました。このことから、組織運営に係る会計の透明性の確保、契約締結などを円滑にすすめられるように平成29年(2017)に特定非営利活動推進法に基づく法人格を取得いたしました。その後、令和2年(2020)には北広島市からは指定NPO法人として、翌年には北海道知事から認定NPO法人として認められました。